6組に1組が不妊で悩んでいる
(この記事は2020年12月19日に更新)
(約7分で読める内容です)
精子と卵子が出会って出産に至る平均的な確率は4回に1回。
つまり健康な成人の男女であれば1年以内に約8割が妊娠する確率があるのですが、現実的にはそういうわけにもいかない方々が多くいらっしゃいます。
現在不妊に悩むカップルは6組に1組。そして24人に1人は体外受精で生まれています。
さらに世界一体外受精の実施件数が多いのにも関わらず出産率は最低レベル。
分かりやすく言えば
『妊娠できない不妊治療が世界一行われている国』
それが日本です。
『命のバトン』を繋ぐ物語
ということで、これほど少子高齢が進む日本で、今後を担う次の世代に『命のバトン』を渡すため
身体の専門家である私が鍼灸師としてできるアドバイスをしていきます。
前回の内容に引き続き不妊症について第二弾です。
今回のテーマは
『妊娠するために不妊治療中や妊活中に気を付けたい生活習慣』について
このようなお悩みはありませんか?
『どんな準備が必要か妊活前に知りたい』
『新婚生活も落ち着いて妊活を始めたい』
『仕事が落ち着いた今妊活したい』
『できれば弟や妹を作ってあげたい』
『不妊治療中で自分でも何かできることがないか知りたい』
今回はそのような方へ向けた内容になりますので是非最後までお付き合いください。
この内容を知れば普段どのようなことに気を付けて生活するのがいいかということがわかるので妊活中の方だけではなく、不妊治療中の方も参考にされてください。
やっぱり規則正しい生活が大事
結論から言うと気を付けるべき生活習慣は『規則正しい生活を心がける』
教科書通りのどストレートの内容です。
でも中には妊活中だからと言って過度に神経質になったり少しでもストレスなく生活しようとする方がいらっしゃいます。
『え?ストレスって良くないんじゃないの?』大半の方はそう思うかもしれませんが、実は人は適度なストレスがないと生きていけません。
宇宙飛行士は無重力空間では筋力がどんどん落ちるので積極的に運動をしないといけません。
骨も長軸上の刺激(つまり重力)がないとどんどん弱く脆くなっていきます。
『適度』というところが非常に難しいのですが過度に神経質にならないことも実は大事なのです。
規則正しい生活を心がけることは言うまでもないですが、気をつけるべき点を
まとめましたので最低限このポイントはチェックしておいて損はないです。
ポイント①適正体重
太りすぎや痩せすぎは良くない(BMIは18.5以上25未満)
平成26年国民健康栄養調査では
痩せている方の割合
20代17.4% 30代15.6%
太っている方の割合
20代10.7% 30代15.9%
総数でいうと痩せは10.4% 肥満は21.3%にもかかわらず、生殖年齢の女性では逆転現象で痩せすぎの方が多いということです。
BMIは高くても低くても妊娠率・生産率は低下し流産率が上昇します。
これはちなみに女性だけでなく男性も同じことが言えますので、夫婦で適正なBMIを
目指していきましょう。適正体脂肪率も19~28%を心がけましょう。
アメリカの研究データでは不妊症のリスクが低くなるBMI範囲は20~24(21が理想)
ポイント②理想的な食事
理想的な食事を心がけよう
平成26年国民健康・栄養調査によると20~30代の平均摂取カロリーは1650kcalほどで本来必要な1950~2000kcalよりずいぶん少なく、痩せすぎの原因にもなっています。
特に日本人女性は低カロリー、低タンパク、高糖質が指摘されています。
妊娠の可能性を高める食生活
①全粒粉など精製度の低い穀類をとり、血糖値を急上昇させる精製度の高い炭水化物を減らす。
②不飽和脂肪酸(大豆油、コメぬか油、コーン油)を多くとり、トランス脂肪酸(菓子パン、ファストフードの揚げ物、洋菓子、加工食品)を避ける。
③植物性蛋白質(豆類、穀類、野菜)を多くとり、動物性たんぱく質(肉、魚、卵)を減らす。
④無調整乳か無調整牛乳を使った乳製品を取る。低脂肪乳は減らす。
⑤水を十分に飲む。コーヒー、紅茶、アルコール、砂糖入りの清涼飲料水は控える。
必要に応じてサプリメントも推奨されるが過剰摂取は禁物
①葉酸
早産、胎児発達遅延、常位胎盤早期剝離、妊娠中毒症のリスクを減少させる
②鉄
日本人女性は鉄欠乏性貧血であることが非常に多い。鉄分のサプリメントを飲んでいる女性は排卵障害による不妊症のリスクが40%も低いというデータもある。
③ビタミンD
日光浴によって合成されるビタミンで近年値の低い女性が増えくる病の増加も危惧されています。
③適度な運動はものすごく大事
定期的に適度な運動をしよう
厚生労働省の調査では1回30分以上の運動を週に2回以上、1年以上継続している運動習慣のある女性は20代30代では10%とかなり低い傾向にあります。
適度な運動の代表例としてウォーキングやサイクリングがおすすめです。
逆に激しい運動の代表例としてランニングやエアロビクス、筋トレなどです。
穏やかな運動時間が長くなればなるほど、妊娠しやすくなり、激しい運動の時間が長くなればなるほど妊娠までの期間が長くなることがわかっています。
基本が大事
生活習慣の中で流産率が1.5~2倍上昇する
リスク因子も以下に記載しておきます。
喫煙(1日10本以上)
アルコール(週に2杯以上)
カフェイン(1日2~3杯以上)
以上の事から妊娠するために日常生活で気を付けなければいけないことは『規則正しい生活』以外には考えられません。
何事も焦りは禁物です。気持ちばかりが焦っていてはうまくいくものも上手くいかなくなってしまいます。
でも冒頭でもお伝えしましたが何事も過度にやりすぎるとかえってよくないこともあるので、リラックスしてあなたにあった妊活をしていきましょう。
現在妊娠に向けて不妊治療をされていたり、妊活中の方に役立つ情報を随時公開していきますのでブログやインスタをチェックしてください。
次回のブログでは
『子どもが欲しい妊活中のあなたが知っておくべきツボ』についてお話したいと思います。